当院での治療例
【整形外科】
Case1 股関節の脱臼
来院理由:数日前に熱中症を起こして回復した後、左後ろ足を挙げるようになった。
処 置:3歳だったフレンチブルドッグのミルちゃん♀は各種画像診断により、左の股関節が脱臼してしまったため、左後肢を接地する際に痛みや違和感が生じていることが分かりました。脱臼に至るまでの詳細な原因や時期は不明ですが、受傷してから経過が経っているため非観血的な整復の適用外となり、大腿骨頭切除術という外科的治療を提案したところ飼い主様はこれを希望されました。
備 考:ミルちゃんは術後の経過は良好で、通常はリハビリによって3ヶ月かけて手術前の脚力へ回復させるところを、術後1.5カ月ほどで以前の脚力に近いところまで回復してくれました。
股関節の脱臼に対する外科的な治療方法は様々あります。その一つである大腿骨頭切除術は大腿骨の一部である大腿骨頭という部分を水平に切り出し、破れてしまった関節包を整復することで、股関節を面と面で擦れ合う新しい関節に作り変える方法です。再脱臼の発生率が低く、外傷による大腿骨頭壊死がおきた場合や骨頭部の骨折が併発している脱臼にも対応していますが、股関節の機能が安定するまで約3カ月以上のリハビリが必要となる手術です。
Case2 上腕骨の遠位端骨折
来院理由:階段から落ちてから、右前足を挙げている。足を触ると痛がる。
処 置:4ヵ月齢の子犬のチワワのGyuちゃん♀。来院された時は右前足を挙げたままで、地面に足をつくのが辛そうでした。
画像検査により、右前足の上腕骨と呼ばれる骨が2箇所骨折していたため、ピンを用いた内固定手術を提案させていただきました。
備 考:3カ月間、骨の治癒を待ち、その後ピンを抜去して完治しました。
gyuちゃん |
骨折時写真1 |
骨折時写真2 |
整復後写真1 |
整復後写真2 |
ピン抜去後写真1 |
ピン抜去後写真2 |