犬の臍ヘルニア へそ 手術による整復

症例紹介

●犬の臍ヘルニア

 臍ヘルニアとは出生後、へそ(臍とも言います)の部分の腹壁が完全に閉じず、そこから脂肪や内臓の一部が飛び出てしまう病気です。“でべそ”とは、臍ヘルニアのことをいいます。生まれつきのものである先天的臍ヘルニアと肥満や外傷などによって起こる後天的臍ヘルニアがあり、ほとんどの場合が先天的臍ヘルニアです。発症頻度の高い品種では、雌に多く発生することが報告されています。

 臍ヘルニアを手術で整復するか、経過観察とするかの判断基準の一つとして、ヘルニアの大きさ・ヘルニアによって生活の質が落ちている・飼い主様の美容的な好み(見た目)などがあります。

ヘルニアの状態 特徴 推奨される治療
  • ・ヘルニア孔が小指大~小指よりやや大きい
  • ・皮膚の上から押すと、脱出している内容がヘルニア孔を通って、お腹の中に引っ込む
  • ・無治療での問題ない場合もある
  • ・外傷や腹圧の上昇によりヘルニア孔が拡大することもある
無治療 又は
手術による整復
(万一の病状進行の可能性を考慮して、美容上の問題など)
  • ・ヘルニア孔の大きさは指の幅1-2本分の大きさほど
  • ・ヘルニア孔から脱出している内容が多く、皮下の膨らみが大きい
  • ・腸の絞扼(血流が絶たれた状態、6時間以上は危険)が起こるリスクは高い
手術による整復
  • ・ヘルニアの大きさに関わらず、触ると痛がる、熱感がある
  • ・腹痛・嘔吐があり、元気がない
  • ・腸やその他の臓器の嵌頓(ヘルニアから飛び出して元に戻らない状態)の可能性あり
  • ・緊急の治療が必要
手術による整復

 当院に来院される臍ヘルニアのわんちゃんは、ヘルニア孔が小さく、ヘルニアはあるけど生活上困っていない子がほとんどです。(写真①)

写真①

手術による整復を希望される飼い主様の理由として、
・ 万一の病状進行の可能性を考慮して、元気な時に整復したい
・ 将来困らないならそのままも良いけどで避妊手術や去勢手術で麻酔をかけるならば、ついでに“でべそ”も治そうかな という理由が多いです。(写真②)

写真②

 手術時期としては避妊手術や去勢手術を行う時に一緒に整復を行う場合が多く、緊急で手術による整復が必要となるケースや、美容上の問題で臍ヘルニア整復のみの手術を希望されるケースは比較的少ないです。

 無治療か手術による整復かはかかりつけの先生によっても意見は様々です。臍ヘルニアの治療で悩まれている方は一度ご相談下さいね。(写真③)

写真③

 

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