チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱、瞬膜腺の脱出)

症例紹介

●チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱、瞬膜腺の脱出)

第三眼瞼(瞬膜)は眼の内側にあり、犬や猫では膜状に存在し、主な役割は眼の表面の保護・涙の膜の形成・第三眼瞼腺(瞬膜腺)による涙の産生があります。第三眼瞼腺は第三眼瞼の下に押し込まれるように存在しています。(写真①)

写真①

この第三眼瞼腺が、眼の表面に飛び出て元に戻れなくなっている病態をチェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱、瞬膜腺の脱出)といいます。
原因として、1つは2歳以下の若齢で起きる傾向にあることや、ビーグル、コッカースパニエル、ブルドッグ、ボストンテリア、ペキニーズなどの特定の犬種で頻繁にみられることから、遺伝的な背景があることが疑われており、腺を眼瞼周囲組織に固定している結合組織が先天的に欠損していることも指摘されています。2つめは眼窩・瞬膜への損傷があります。
猫ちゃんでも発生しますが、わんちゃんほど一般的な病気ではありません。

症状として、眼の内側の隅に丸く、赤い膨らみが出現します。脱出した第三眼瞼腺により二次的に持続性の涙目や結膜炎が起きることもあります。
治療は飛び出している第三眼瞼腺を元に戻すことになります。(写真②)

写真②
病態 治療方法 特徴
発見が早い場合、軽度の場合 瞬膜を牽引して、脱出した第三眼瞼を戻す+坑炎症目薬などの内科療法 ・全身麻酔の必要がない、高齢の子・麻酔がかけられない子でも可能
・わんちゃんに対する負担、かかる費用も最小限
・再発することが多い
再発を繰り返している場合、脱出してから時間が経って腫れがひどい場合 麻酔下で再脱出しないよう整復する ・根治的な治療
・全身麻酔が必要、手術なので費用もかかる(片目5万円ほど)
・脱出の経過が長い場合、再発することもある
脱出した第三眼瞼腺を切除する ・推奨されない
・再発はないが、切除することで涙が減り、一生ドライアイになる可能性があるため

チェリーアイを長年放置することで、失明することや寿命が縮まることはありません。治療を希望される飼い主さまは外見をキレイに治してあげたい、結膜炎や涙目を治してあげたい、歳をとった時のことを考えてという方がほとんどです。当院の飼い主さまで、特にこの子が困っていないし、これがうちの子のチャームポイントなのとそのままにされる方もいらっしゃいます。根治的に治すためには、麻酔下による整復手術が必要となりますが、かかりつけの先生とよく相談して治療を決定してくださいね。

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