猫の歯肉口内炎(抜歯) 全臼歯(奥歯)抜歯 全顎抜歯 口腔内清掃 抗菌薬 ステロイド 鎮痛剤 インターフェロン ラクトフェリンなど

症例紹介

●猫の歯肉口内炎(抜歯)

当院に来院して下さった猫さまたちの中には、お口の痛みでご飯が食べられない、人間のように虫歯が原因で内臓に影響がないか心配 などの理由で来院され、歯肉口内炎の根治的もしくは緩和的治療として抜歯による外科治療を希望される飼い主さまもいらっしゃいます。

今回、写真撮影させていただいた猫さまたちは翌日~2週間後にはお薬を中止しても、ご飯をもりもりと食べてくれるほどになりました。

猫の歯肉口内炎の発生率はおおむね6~7%といわれています。

歯肉と口腔粘膜が慢性的に炎症を起こしている病態で、様々な原因によって引き起こされることが分かっています。
○難治性口内炎 ○リンパ球性プラズマ細胞性歯肉口内炎 ○プラズマ細胞性口内炎 ○慢性歯肉口内炎 ○慢性潰瘍性歯肉口内炎 ○潰瘍性増殖性口峡炎 ○猫の慢性潰瘍性歯周口内炎 ○口腔後部口内炎 とも呼ばれています。

飼い主様からお聞きする猫たちの症状は、口臭がひどくなった、ヨダレがひどい、口を気にしてニャムニャムいっている、口が痛くてご飯が食べられない、痩せてきた などがあります。

原因は口腔内細菌やウイルスの関与、免疫反応の異常などが挙げられています。これらに加えて、最近の報告ではBellow(2010)は歯肉口内炎を起こしている猫たちはカリシウイルスへの感染率が高いこと指摘しています。
また口腔内の著しい炎症の原因として細菌だけではなく、細菌の毒素に対して、過剰な免疫反応が起きて歯肉口内炎を起こしているのではないかと推察されています。

治療には内科治療と外科治療があります。これらの治療に対しては、Hennetら(1997)、藤田ら(1999)、山岡ら(2002)などの多くの報告者が検討しています。

現在のところ、歯肉口内炎に対しての最も効果的な治療は外科治療とされています。
その理由は、外科治療によって歯肉口内炎が完治することがある、または治すことはできなくても痛みを改善したり、お薬の種類を減らしたりする効果をもたらすことができるからです。

  利点 欠点
外科治療
全臼歯(奥歯)抜歯
全顎抜歯(奥歯の抜歯に反応が見れなかった場合)
即効性で完治する場合もある
1回の治療で済むかもしれない
麻酔が必要
全身麻酔に耐えられること
内科治療
口腔内清掃、抗菌薬、ステロイド、鎮痛剤、インターフェロン、ラクトフェリンなど
高齢にも安全
全身麻酔に耐えられない場合
どうしても手術したくない
完治はできない
投薬を止めると数週間~数ヵ月で症状が戻ってしまう
次第に効果がなくなることがある

 

歯肉全体に発赤と一部に潰瘍や肉芽様組織がみられる
歯肉全体に発赤と一部に潰瘍や肉芽様組織がみられる

重度の歯石沈着と発赤・出血がみられる
重度の歯石沈着と発赤・出血がみられる

歯石沈着と歯肉の発赤がみられる
歯石沈着と歯肉の発赤がみられる
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