歯垢・歯石除去(歯垢歯石の沈着により引き起こされた歯周病)

症例紹介

●犬の子宮蓄膿症(食欲低下と発熱)
写真1:超音波にて確認された拡張した子宮
写真1:超音波にて確認された拡張した子宮

11歳 トイプードルさん 未避妊の子が来院されました。飼い主様曰く、普段食いしん坊なこの子がこの2日間おやつのみしか食べなく、震えているとのことです。
身体検査では元気はあり、顕著な神経異常は認めませんでしたが、体温が40.0℃と発熱が認められました。飼い主様の了承をいただいた上で、X線検査で下腹部に軟部組織陰影が認められ、腹部超音波では子宮の拡張および液体貯留が確認されました(写真1)。

血液検査では白血球の増加が認められ、血液塗抹検査ではその増加の原因は身体の中で慢性的に炎症が続いている可能性あるということが分かりましたが、それ以外の数値は基準値の範囲内でした。

以上のことから、飼い主様には子宮内に液体が貯まる病気(ほとんどの場合、膿が貯まる子宮蓄膿症)による食欲低下、発熱と診断致しました。
飼い主様は手術による根治治療を希望されたため、卵巣子宮摘出術を実施し、次日より食欲が改善し、退院されました。(写真2、写真3)

写真2:摘出した子宮
写真2:摘出した子宮
写真3:摘出した子宮の内容物
写真3:摘出した子宮の内容物

日本の犬ちゃんの子宮蓄膿症の発症率は0.9-1.6%という報告もあります(多摩獣医臨床研究会、1998)。

Dow(1958・1975)の報告では、高齢犬に多発し(8.5歳前後に多く、3-16歳で報告あり)、未経産犬に多発すると報告しています。この報告の中で、子宮の膿の89%から細菌が検出(大部分から大腸菌)されたとのことでした。

子宮蓄膿症は発情休止期(黄体期)に発症(発情後5-90日)し、黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用が、子宮感染に対する白血球の反応を抑制してしまうことから細菌感染と悪化のリスクを上げてしまいます。
予後因子として血中のエンドトキシン濃度があり、この濃度はBUNとCreに高い相関関係が認められたという報告もあります(Okano,1998)。
治療には、卵巣子宮摘出術のような外科治療の他に、お薬による内科治療として抗プロゲステロンレセプター薬(成分名:アグレプリストン 商品名:Alizine)による治療があります。

  利点 欠点
外科治療 即効性で根治的 麻酔が必要
全身麻酔に耐えられること
繁殖は諦めなければならない
内科治療 高齢にも安全
繁殖に供したい場合
全身麻酔に耐えられない場合
どうしても手術したくない
治療効果が出るまで時間がかかる
再発する可能性がある
発情回帰が早い
卵巣腫瘍には効果がない場合がある
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